走れ!ニャロス [圭太]
ニャロスは激怒した。
必ずあの意地悪なボスにゃんこに猫パンチをお見舞いしなければならないと決意した。
ニャロスは単純なにゃんこだった。
何も考えず、ボスにゃんこに殴り込みをかけようとなわばりの中に入っていった。
たちまち彼はボスにゃんこの取り巻きに取り押さえられた。
そしてボスにゃんこの前に引き出されたのだった。
ボスにゃんこはニャロスに言った。
「おまえは見せしめとして、ニッキーという人間の家に行き、
モフモフ攻撃を向こう1年間、毎日受けるがよい」
「ああ、どんな仕打ちを受ける覚悟も出来ている。
ただ...」 とニャロスはためらいがちに言った。
ただ、私の可愛い娘に婿をとらしてやりたいのです。
その間、3日間だけ時間をください」
「ばかな..逃がしたにゃんこが戻ってくるというのか」
ボスにゃんこはしゃがれた声で低く笑った。。
「そうです、帰ってくるのです。私を3日間だけ許してください。
そんなに信じられないなら、私の親友のニャンヌンティウスを猫質として置いていきます」
それを聞いてボスにゃんこは残虐な気持ちでほくそ笑んだ。
どうせ帰ってこないに決まっている。
この嘘つきにダマされたフリをして放してやるのも面白い。
そうして身代わりのにゃんこを3日後にモフリの刑にしてやるのも気味がいい。
にゃんこはこれだから信じられないと悲しい顔をしてモフリの刑にし、
正直者という輩にうんと見せつけてやりたいものだ。
「願いを聞いたぞ」
ボスにゃんこはニャロスに言った。
....
....
中略
....
....
ニャロスはただひたすら走った。
少しずつ沈んでいく太陽の10倍も早く走った。
急げ、ニャロス、遅れてはならぬ。
愛と誠の力をいまこそ見せてやるがよい。
風体なんかはどうでもよい。
ニャロスの全身の毛はひどく汚れていた。
見える、はるか向こうに小さくボスにゃんこの館が見える。
しかし夕日はまさに沈まんとしていた。。
最後の死力を尽くしてニャロスは走った。
そして最後の1片の光が消えようとした瞬間、
ニャロスはボスにゃんこが待つなわばりに滑り込んだ。
「待て!そのにゃんこをモフリの刑にしてはならぬ。
ニャロスが帰って来た。約束通りに帰って来たぞ」
そして、親友のニャンヌンティウスの縄がほどかれた。
「ニャンヌンティウス」ニャロスは目に涙を浮かべて言った。
「私に猫パンチを浴びせろ。私は途中で1度だけ悪い夢を見た。
君がもし私を殴ってくれなかったら、
私は君にグルーミングをしてあげる資格さえないのだ。猫パンチを頼む」
ニャンヌンティウスはすべてを察したようにうなずき、
そしてその柔らかな肉球で力一杯ニャロスに猫パンチをした。
猫パンチをしてから優しく微笑み、
「ニャロス、私に猫キックをしてくれ。さっきのパンチと同じくらい、強くキックをしてくれ。
私はこの3日間でたった一度だけ、ちらと君を疑った。
君が猫キックをしてくれないと君と猫団子を作って寝ることさえ出来ないのだ。」
ニャロスはしなやかに身体を折り曲げ、そしてニャンヌンティウスに猫キックを浴びせた。
「ありがとう友よ」 2にゃん同時に言い、ひしと抱き合い、
それからうれし泣きににゃあにゃあと声をはなって泣いた。
ボスにゃんこは背後から2にゃんの様子を見ていたが、
やがて静かに近づき、顔を赤らめてこう言った。
「おまえらの望みはかなったぞ。おまえらはわしの心に勝ったのだ。
真実とは決して空虚な妄想ではなかった。
どうかわしも仲間に入れてくれないか。
どうかわしの願いを聞き入れて仲間に入れて欲しい」
ボスニャンコの取り巻きの間から、どっと歓声があがった。
こうして、猫社会のあいだに新たな友情が築かれ、
ゆるくノンビリした日常が戻りましたとさ。。
今日は世界名作猫劇場を観覧していた圭太くんを撮影してみました。
圭太くんって意外と涙もろいのね。。
...って、もう寝てるのかよ。。
☆圭太くんの目がうるうるしているところを写真に収めて、
さて、どんなコメントをしようとかと思ったところ、
なぜか、走れメロスが思い浮かびました。
本を引っ張り出してきて、再度、ストーリーを確認しながら
にゃんこ版走れメロスを書いてみました。
**************************************
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
これからもみなさまがくすっと笑えたり、癒されるような記事をアップしていきますので、
また遊びにきてくださいませ。
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必ずあの意地悪なボスにゃんこに猫パンチをお見舞いしなければならないと決意した。
ニャロスは単純なにゃんこだった。
何も考えず、ボスにゃんこに殴り込みをかけようとなわばりの中に入っていった。
たちまち彼はボスにゃんこの取り巻きに取り押さえられた。
そしてボスにゃんこの前に引き出されたのだった。
ボスにゃんこはニャロスに言った。
「おまえは見せしめとして、ニッキーという人間の家に行き、
モフモフ攻撃を向こう1年間、毎日受けるがよい」
「ああ、どんな仕打ちを受ける覚悟も出来ている。
ただ...」 とニャロスはためらいがちに言った。
ただ、私の可愛い娘に婿をとらしてやりたいのです。
その間、3日間だけ時間をください」
「ばかな..逃がしたにゃんこが戻ってくるというのか」
ボスにゃんこはしゃがれた声で低く笑った。。
「そうです、帰ってくるのです。私を3日間だけ許してください。
そんなに信じられないなら、私の親友のニャンヌンティウスを猫質として置いていきます」
それを聞いてボスにゃんこは残虐な気持ちでほくそ笑んだ。
どうせ帰ってこないに決まっている。
この嘘つきにダマされたフリをして放してやるのも面白い。
そうして身代わりのにゃんこを3日後にモフリの刑にしてやるのも気味がいい。
にゃんこはこれだから信じられないと悲しい顔をしてモフリの刑にし、
正直者という輩にうんと見せつけてやりたいものだ。
「願いを聞いたぞ」
ボスにゃんこはニャロスに言った。
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中略
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ニャロスはただひたすら走った。
少しずつ沈んでいく太陽の10倍も早く走った。
急げ、ニャロス、遅れてはならぬ。
愛と誠の力をいまこそ見せてやるがよい。
風体なんかはどうでもよい。
ニャロスの全身の毛はひどく汚れていた。
見える、はるか向こうに小さくボスにゃんこの館が見える。
しかし夕日はまさに沈まんとしていた。。
最後の死力を尽くしてニャロスは走った。
そして最後の1片の光が消えようとした瞬間、
ニャロスはボスにゃんこが待つなわばりに滑り込んだ。
「待て!そのにゃんこをモフリの刑にしてはならぬ。
ニャロスが帰って来た。約束通りに帰って来たぞ」
そして、親友のニャンヌンティウスの縄がほどかれた。
「ニャンヌンティウス」ニャロスは目に涙を浮かべて言った。
「私に猫パンチを浴びせろ。私は途中で1度だけ悪い夢を見た。
君がもし私を殴ってくれなかったら、
私は君にグルーミングをしてあげる資格さえないのだ。猫パンチを頼む」
ニャンヌンティウスはすべてを察したようにうなずき、
そしてその柔らかな肉球で力一杯ニャロスに猫パンチをした。
猫パンチをしてから優しく微笑み、
「ニャロス、私に猫キックをしてくれ。さっきのパンチと同じくらい、強くキックをしてくれ。
私はこの3日間でたった一度だけ、ちらと君を疑った。
君が猫キックをしてくれないと君と猫団子を作って寝ることさえ出来ないのだ。」
ニャロスはしなやかに身体を折り曲げ、そしてニャンヌンティウスに猫キックを浴びせた。
「ありがとう友よ」 2にゃん同時に言い、ひしと抱き合い、
それからうれし泣きににゃあにゃあと声をはなって泣いた。
ボスにゃんこは背後から2にゃんの様子を見ていたが、
やがて静かに近づき、顔を赤らめてこう言った。
「おまえらの望みはかなったぞ。おまえらはわしの心に勝ったのだ。
真実とは決して空虚な妄想ではなかった。
どうかわしも仲間に入れてくれないか。
どうかわしの願いを聞き入れて仲間に入れて欲しい」
ボスニャンコの取り巻きの間から、どっと歓声があがった。
こうして、猫社会のあいだに新たな友情が築かれ、
ゆるくノンビリした日常が戻りましたとさ。。
今日は世界名作猫劇場を観覧していた圭太くんを撮影してみました。
圭太くんって意外と涙もろいのね。。
...って、もう寝てるのかよ。。
☆圭太くんの目がうるうるしているところを写真に収めて、
さて、どんなコメントをしようとかと思ったところ、
なぜか、走れメロスが思い浮かびました。
本を引っ張り出してきて、再度、ストーリーを確認しながら
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タグ:猫 アメショー 圭太
おもしろかった~~~!パチパチ~
でも、最後のほうは圭太ちゃん、ネムネムでしたね~(^^)
by ゆるり花 (2010-02-23 01:27)
おぉ~っ!!ニッキーさんスゴイ(*^^)
私も遠い昔に読んだので・・懐かしい。
これは第二弾があったり??
圭太くんの眠そうなお顔・・可愛い♪
by ぷんちゃんママ (2010-02-23 09:53)
ゆるり花さん、こんばんわ~
長文で失礼いたしました。なんとか楽しんで頂けたようでホッとしました。圭太も感動してくれましたが、長続きはしなかったようで..
ぷんちゃんママさん、こんばんわ~
巷では太宰治がちょっとしたブームみたいなので、思い出してみました。私も他の小説も読んでみたくなりました。 ははは、第二弾ですね、前向きに検討させていただきます。
圭太のうるうるの表情、顔がデカいだけに目立ちますよね。
by ニッキー (2010-02-23 22:41)